今年も無事にひとつ歳を重ねることができました。
毎年『次は来ないかも知れない』
そう思いながら誕生日を過ごすようにしております。
人間というのは生きているのがさも当たり前のことのように思いがちですが
大自然の中においては命と云ふものはどんなものよりも儚い存在でございます。
かくいう私も、今日は生きていても明日はわからない、もっと言えば1時間後すらわからないと常に思っております。
だからと言って、特に1秒1秒をずっと真剣に生きてるわけではなく
そこは自然体で、今できることをただただやることだけでございます。
こうやって今生きていられるだけでも幸せなことです。
普通にご飯を食べて、自分の足で歩いて、手を動かせて、トイレに自力で行けることがどれだけ素晴らしいか。
常日頃贅沢ばかり追い求めてしまいますが
実は普通に生きていられることはとんでもなく贅沢なことなんだと思うわけです。
それでも人は少しでも他人より良い生活を送りたいと思い
少しでも他人より知名度をあげたいと躍起になります
かくいう私も、そういう時期が長くございました。
人の目に怯え、人に弱みを見せられず、強がってばかり。
そんな時代もございましたねぇ。
今思えばそういう時期は、大変嫌な思い出しか無いのです。
心身のバランスを崩し、人を憎んだり、誰かのせいにしたり
狂ったように泣いたり怒ったりものに当たったりと
それはもう自分で自分のことが大嫌いで、死にたいとすら思っていたのがこの時期でした。
そこから抜け出したくて、でもその方法がわからなくて、もがいてましたね。
で、作家になろうと思ったのです。
そこは私なんか相手にならないほど才能に溢れた人ばかりの場所でした。
今まで自分がやってきたことがなんの役にも立たない。
レベルが違いました。
でも挑もうと覚悟を決めました。せっかく事務所に入れていただいたのです。
何がなんでも食いついていこうと決めました。
最初の1年、何をやっても擦りもしませんでした。
何十と歌詞や曲を送っても、全てがただのゴミとなりました。
それでも諦めませんでした。
どうせ才能なんかない、だったら無いなりに描き続けようと思いました。
無名中の無名で、もしかして見てもくれていないかも知れない、イントロすら聞いてくれていないかも知れない。
それでもいいと思ってやり続けたものです。
で初めて採用の連絡が来た日のことは今でもはっきりと思い出せます。
ジャニーズワールドの舞台楽曲歌詞コンペでした。
仕事の大きさで言えば、さほど大きいものではないかも知れません。
けれども、私にとってはれっきとした作詞家デビューの始まりだったのです。
そこから、それほどたくさんの採用をいただいているわけではありませんが
ちょくちょく、採用をいただきながら今日を迎えております。
思い起こせばあの最初の採用から、私の心身は安定してきました。
やっと自分が胸を張って言える何かになれた気がしたのだろうと思います。
それまでは自分が何者かもわからなかったし、何をやっている人間かを誰かに言うことすらできませんでした。
広島でミュージシャンを長年やってはいるものの、だからなんでしょう。
何かを成し遂げたのかと言われれば、何も成し遂げてはいなかったのですから。
要するに、コンプレックスしかなかったのです。それまでは。
地元で身内だけで盛り上がっているだけの単なる音楽好きな人。
それでいいのか、それで満足なのか、それで終わっていいのか。
そこから抜け出すには、自分の力で這い上がるほか方法は無いのだと、私だけではなくきっと誰もが知っているんだろうと思います。
ただなかなか、簡単ではありませんよね。
誰もが成功できるわけではないし、誰もが思い描いた結果を手にできるわけではありません。
でも私は思うのです。
例え結果が伴わなくても、高い壁に挑戦し続けたことは必ずいつか報われると。
それが全く違うことで報われることもあると思います。
大切なのは、逃げずに挑み続けることであって、結果ではない。
と言うことです。
世の中そんなに甘くないし、簡単ではありません。
運もあります。
どれだけ才能があっても埋もれてしまう人は世界中に山ほどいらっしゃることでしょう。
そんな中、私は幸運な方だったのだろうと思うのです。
少なくとも、世の中に作品をちゃんと残すことが出来ている、数は少なくとも。
こんなラッキーなことはそうは無いだろうと思います。
それもこれも、自分が逃げ出さなかったからで
事務所のマネージャーにも見放されなかったからで
家族のサポートがあったからで
地元の仲間たちやファンの皆さんがじっくりと見守ってくださったからで
数えればキリがないほど、多くの方に支えられたから今があると思っております。
心の安定や、優しさや、人を思いやる余裕や、人の幸せを喜べる素直さは
まず自分が自分に自信を持てていなければ手に入れることはできません。
人は弱い生き物ですから、自分が満たされていなければ人のことを妬むように作られているんです。
だからそう言う気持ちをついつい抱いてしまうことは、致し方のないことです。
だから何度も言いますが、大切なのは、自分に自信を持てるようになるまで
逃げ出さず、諦めず、けして歩みを止めないこと。
偉そうなことを書いておりますが
私が私自身に、常々言い聞かせてきていることなのです。
私もまだまだ志半ばです。
まだ人を妬みますし、素直にライバルの勝利を喜べません。
でもそんな自分を俯瞰で見られるまでには成長しました。
本当に心の底から腐ってはいないと、確認できるほどには大人になりました。
素直に喜べないのも悔しいからで、その気持ちはある意味大切
でもライバルの作品を素晴らしいと称賛できる人間でありたい。
もう良い年齢ではありますが
まだまだです。
きっと死ぬまで、まだまだなんでしょうけれど。
来年生きているかはわかりませんが、どうぞみなさま、引き続き私の成長を見守っていただければ嬉しいです。
こんな人間ですが、ありがとうございます。感謝。
EARSY
追記
12/18のリリースライブチケット、まだございますのでどうぞお早めにご連絡ください。