若い頃は褒められると素直に嬉しかった。
実に素直に、なんの疑いもなく「やったー!」と喜ぶアホ丸出しの女だった。
歳をとるにつれ、人って嘘を平気でつくと学び、お世辞を呼吸するかのように簡単に言えるということを知り
褒められても信じなくなった。
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ライブで「良かった」と言われても
制作した楽曲を「素晴らしい」と言われても
その場ではもちろん喜ぶのですが
「ありがとうございます」
と言うのですが
本当に可愛くないと思います。
我ながら。
この人はお世辞は言わないよねって人は同業者にはいて
そう言う人のお褒めの言葉は嬉しい、というか
ちゃんと聴いてくれたと言う事実だけで震えるほど感激するし
一緒に作ってる野村や高木さんの言葉は信じられます。
そのかわり、ダメな時はダメともはっきり言いますから。
だから信じられるんだと思います。
褒められることに慣れていないので、どう反応して良いのかわからないってのもあります。
私はあまり人を褒め讃えない方かも知れません。
それはやはり、自分がそう感じてしまうから、きっとこの人もそうじゃないだろうか
と思ってしまうからです。
それはもう褒めずにはいられないほど感動したら何がなんでも口にするのですが
思っていても口には出さないことは多いです。
思わない時はもちろん何も言いません。
お世辞は言いませんし、とりあえず何か褒めておこうともしません。
おそらく、人に好かれる人って人を褒めるのがとてもお上手なんですよね。
人の良いところや作品の良いところを必ず発見して、こう言うところが良いよね
と言えるんです。
私はどうもその辺の配慮が足りないというか
良いところを積極的に探しに行かないというか
必死に探さないといけない良いところってなんなの?
と思うというか
要するに性格が悪いのかも知れませんね。
でも世の中には性格の良い人が溢れていて、こんな性悪な私のことも褒めてくださるわけです。
だからもっと素直に喜べばいいのに。
でも喜べないんです。。
逆に気を遣わせちゃってるなぁと思うんです、なんか褒めておかなきゃ!って思わせてるんじゃないかなと。
特に年下の子とかさぁ。
いっそ
「先輩、今日めっちゃ下手でしたね、最悪でした」
とか言ってくれればいいのに。
最悪な日は自分でも絶対そう思っているので
「やっぱそう?いや〜〜最悪だったよね今日」
って方が救われる気がします。
最悪だったのに「今日も良かった」って言われるともうなんか、、、
いたたまれないです。
人によってはダメ出ししづらい人もいると思いますよ
最悪でも言えない、て言うか
絶対言っちゃダメな人っています。
でも私は大丈夫な人なので、ダメ出しください。
打たれて強くなってきたタイプなので、今更撫でられて育つことはないんです。
なので、けなしてください。
基本ドMです。
でもたまに、本当に良かったら褒めてやってください。
「今日は良かったじゃん」
って上から目線でいいので。
ただ歳をとっただけなのに、
年下世代からは敬語を使われ、ダメ出しされなくなり、怒られることもなくなり
恐ろしいことだなと感じます。
若い頃は何をやってもどやされていたのになぁ。
最近の若い子を見ていると、本当に良い子が多いですよね。
気遣いができて、謙虚で、笑顔が多くて
人に「嫌われないように」生きている子が多いなと感じます。
その現代の若者の「嫌われないように生きていく」という処世術に
大人世代の我々は甘えていたり、その真意を知ろうともせず鵜呑みにしたりしてる気がします。
問題を起こさないように巻き込まれないように平穏に生きていくことが何よりも大切な彼らです。
先輩に楯突くこともなければ、ダメ出しなんてするはずもない。
私はついつい、若者の
「良かったです感動しました」
の裏側を見てしまう。
私に気に入られたところで、なんの特にもならないからさ
おべんちゃらとかもういいよ。
って言ってあげたくなるんです。
逆にその裏側について何も考えず若者に褒められて当然みたいな態度のジジババは
裸の王様みたいなもんだから。
そうはなるまい、と思ってるんですよね。